同じ目標。同じ夢。
誰かと同じ目標に向かって頑張れる。こんなに素晴らしい目標ってないですよね。
元気になる!立派な新社会人になる!良い親になる!海賊王になってやる!そういう時に気にかけたいこと。私が子供との夢に向かって過ごした日々それが何かのヒントになったらいいな。
教える側と教えられる側。言い方を変えれば伝える側と伝えられる側。双方の意見や概念の違いから色んな弊害や困難も生まれます。でも、苦労したからこそ達成した時の達成感の共有。それは共にした仲間の最高の称号になるでしょう!
今回は子育ての中から子供とのあるエピソードを綴っていきたいと思います。
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それは何でもない金曜日の夕食時、子供の一言から始まりました。
『パパ、明日、自転車の小さいタイヤ取って。』
『!!!』私と妻は顔を見合わせました。
小さいタイヤを取って。つまり補助輪を取るという事です。今まで、私たち親が何回か補助輪取って自転車の練習をしてみようかと提案してみても全く聞く耳を持たなかった我が子。
その子がある日そんな決断をしたのです。
何で取りたくなったのか訊いてみると←(慎重に。)
『〇〇ちゃんの弟が保育園なのに乗れるから。』だそうです。納得です。
うちの子は、オセロで負けても、トランプで負けても、人生ゲームで負けても泣きます。ほぼ100%。トランプでは、よほど負けたくないのかイカサマまがいなことまでします。(苦笑)
そうなんです。負けず嫌いなんです。でも、自分が興味がないことは負けてもいいらしいです。同級生が自転車に乗れるのは悔しくないが、保育園児には負けてられない!ってことでしょう。この辺が親として難しいのですが(苦笑)
ともあれ、『自転車に乗れるようになる!』という決断をした我が子。
応援せずにはいられません。私も妻も嬉しそうに顔を見合わせたのを覚えてます。
この時に私たち親と子供の夢が一緒になったのです。
私の父は職人で朝早くから夜遅くまで働いてくれていました。週休二日どころか休日出勤も当たり前のようにある世界です。キャッチボールをした思い出も無ければ一緒に虫取りした記憶もありません。
でも、唯一と言っていいほど一緒にやってくれたことそれが自転車の練習でした。
小学2年生の頃、スカイライダーの自転車に乗っていた私。近所の子たちは、とっくに補助輪外して乗っていました。私は、自転車に補助輪なしで乗りたいとかではなく、補助輪を外してみたい。外す工具を使いたい。という本来とは違うきっかけで、自転車の補助輪を外しました。自分で父親の工具箱からレンチを取り出して補助輪を必死に外したことを覚えてます。
補助輪が外れたことに達成感を覚えたのはいいのですが、元に戻すのは面倒。しょうがないからこのまま乗るか。これが自転車の練習の始まりでした。
でも、実際またがってみるとフラフラして安定感もなく。上手く乗れません。乗ってはコケて、膝を何度も砂利でケガしました。もういいやってあきらめかけた時に、
仕事中の一服がてらに、ふら~っと父親が現れて『後ろ持ってるからこいでみろ』と言ってくれました。
父親が後ろを支えてくれているなら大丈夫だと思った私は必死にペダルを踏みました。
『離さないでよ。離さないでよ。絶対離さないでよ!』そう叫びながら、必死に。
しばらく進んで後ろを振り返ると、遠くで嬉しそうに微笑みながら煙草を吹かす父親の姿。
(はなしてんじゃーーーん!!)
私は自転車に乗れたことよりも、手を離してた父親にショックで大声で叫んで派手にコケました。慌てて父親が走ってきて、『おお!乗れた乗れた。』と言ってくれながら膝についた砂を払ってくれました。
父親の乗れた。乗れた。という言葉を聞いて、あっ!乗れてたと思いました。
父親が支えててくれるという安心感で必死にペダルを踏み続けれた私。まっすぐ、前だけを見て自分の出来ることを精一杯やった結果、初めて自転車に乗ることが出来たのです。
あれから、30うん年。私が父側にいくことになります。これが、大変でしたが(大汗)
↑けが防止の為、長袖長ズボンです。
そして、次の日、補助輪を外しての子供の第一声
『なんで?!フラフラするの?!』
あ~我が子だなって思いました。子供ってやっぱり、補助輪外したらどうなるのか分からないんですね。大人の概念で、そりゃー外したら地面に車輪ついてないからフラフラするよーってのは通じないんです。
子供や未経験者に経験者が教えていくときに先ず、この概念を上手く伝えなければいけません。自転車以外にも勉強もそうですし、料理なんかもそうですね。この概念が分かってないのに
何で出来ないの!今言ったでしょ!
なんて言ってしまったら、もう言われた方はプライドも傷つくし、やる気も削げるし、緊張感も高まってしまい、かえって悪循環になってしまいます。
これが、一番大変なんですけどね。私がサラリーマン時代に営業の研修や教育を行ってた時も、自分に出来ることを教えるってとても大変な事だって感じました。
簡単に言うと、自分がやれば売れるのに。新人がやれば売れない。
何でだろうって、いつも思ってました。でも、ある日気づいたんです。教える時に自分のエゴや概念を押し付けてないかって。
それから、その人の性格やバックグラウンドを意識して接して行った結果ほとんどの方がいい結果を得られたんです。この時の喜びは子育ての喜びに似てますね。何よりもその方たちと色んな目標を共に達成できた時の喜びが忘れられません。
この事があったので子供の自転車の練習の時は、子供の意思、意見を尊重して、
この重大なプロジェクトに取り組むことになりました。(笑)
ここからの大事なポイント
①転び方を教える・・・失敗しても良いんだよ。失敗したらこれくらい痛いよ。ってのを教える。
②転ばない方法を教える・・・失敗しないための予防策。回避方法を教える。
自転車に乗ったことがない子供が自転車に乗る時に一番怖い事。それは、転んで痛い思いをすることだと思います。
だから、最初にしっかりと自転車の説明をします。ハンドルの握り方、ペダルの位置や踏み方、ブレーキのかけ方などです。スポークの間に手や足を入れたら危ないってのも教えました。
次に転び方を教えて、転びそうになった時もハンドルをしっかりもって、足をしっかりつけば大丈夫。足はしっかり着くんだからと安心させました。
こうすることで子供の方でも危機管理や危険回避が出来るので自転車で転びそうになっても大丈夫かもって気持ちになってくれるはずです。このかもが重要です。
次に教えたのは、ハンドルをしっかり握らせて自転車を水平に保ち、交互に足で地面を蹴り前に進む。です。両足またがった状態で右足、左足と交互に地面を蹴らせて前に進めます。これで、足がつく感覚やハンドルをしっかり握る癖、バランス感覚が身に付くと思います。ブレーキのかけ方もこの時にしっかりと教えます。
次の段階がいよいよペダルを踏んで前に進む。です。
大事なのは目線は先に、ただペダルを踏む。
大人も、自動車の教習とかに行けば慣れないときは目線はどうしても手前を見てしまします。子供だって同じです。
子供も怖がってどうしても目先を見てしまうので、大事なのはハンドルをしっかり持ち、ペダルの位置を見なくてもしっかり踏み、遠くを見てペダルを繰り返し踏み続けること。
これが出来たら、もう乗れたも同然なんですけどね。
子供が1mでも2mでも進めるようになったら、子供の前に立ちパパを見て、パパを見てと言いながら、後についてくるように誘導しました。
子供がある程度、乗れるようになってからは自由に広場を走らせて、転んだ時に何が悪くて転んだのか二人で話しました。ここで、私が嬉しかった子供の一言が
『ハンドルを急に曲げたからこけた。』です。
しっかりと子供が何で失敗したのか理解してくれていて、それを自分の口で説明できた瞬間。嬉しかったですね。
そんなこんなで数日一緒に練習を繰り返し、なんとか自転車に乗れるようになった我が子。
その日は休みという事もあり、私は子供に課題を課しました。
『パパが言ったコースを足がつかないように乗れたら合格。合格したら、ステーキ食べに行こう。』
走行とは別にハンドルの持ち方、目線、ブレーキのかけ方など、自動車の教習所と一緒です。子供の安全の為にもしっかりと確認します。
子供は静かに頷き。黙々と練習を繰り返し、夕方、暗くなってついに私の課題を合格しました。
二人で『やったー!』っとハイタッチをし喜び合いました。この時の達成感は子供も覚えていてくれてるようで今でもあの時頑張ったから今度も大丈夫だよって言ってます。
薄暗い中、家に帰ると
『ママー自転車乗れるようになったよー!』と子供が嬉しそうに玄関先から歓喜を上げます。
頑張ったなぁ~。私も子供も。そう思いながら、家の中に入りました。
『じゃあ、行こうか!』子供が元気に言います。
『何処に?!』『約束したでしょ!ステーキ!』私は嬉しさのあまりに忘れていましたが子供にとってはこっちも大きな目標だったのですね(笑)
↑約束通り食べに行きました。自転車の疲れと満腹感で睡魔とたたかう我が子。
この日の事は本当に私の人生の中でもたくさんの事を学ばせていただいたと思います。父親として、あとどれくらいこの子に伝えられるか楽しみです。
最後に一言・・・一番大事なことは、教えてもらう側の姿勢と教える側の我慢。
最後まで読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。