make the style. オレンジランプのブログ

私、オレンジランプが自由気ままに過ごす日常。大好きなもの作り。料理。家具製作。猫。アウトドア。子育て論。などなど、気ままに発信していきます。

友との約束。

4月19日この日は私の幼馴染の命日です。あれから、30年近くの歳月が流れ、私は大人になりました。結婚もし、子供ももうけることが出来ました。彼の葬儀で棺に眠る彼に涙を流しながらした約束。

『おまえの分も強く生きる。』私の自分勝手な約束ですがこれを胸に生きてきました。

 

あれは私が高校生の頃。入学して間もない高校一年生の体力テストが行われる日の事でした、、、。

 

 『1年〇組の〇〇君。職員室まで来てください。』まだ友達もまばらな入学当初、突然私は校内放送で職員室に呼ばれました。その時一緒に居た友達に『お前何したんだよ!』と冗談を言われながら私は職員室へ向かいました。

 

(何か怒られるようなことしたかな、、、?!)など考えながら。

 

ガラガラと職員室の引き戸を開けながら自分のクラスと氏名を大きな声で言い職員室へ入りました。すると一人の先生が私宛に電話がかかっていると教えてくれました。

 

私はその受話器を受け取りました。

 

『もしもし、〇〇ですけど。』そう名乗ると『私は〇〇警察署の〇〇と申します。〇〇君ですか?』と訊かれました。警察から?!私に?!何かした?!と首をかしげながら

『はい』と答えると『実はね、、、』と話が始まりました。

 

その警察の話はあまりにも突拍子もなく私の頭には入って来ませんでした。

 

私はその警察官としばらく話し『分かりました。』と受話器を置きました。職員室を出る時に頭を下げ、扉を閉め自分の教室に戻っていると涙が次から次へと溢れてきました。

 

警察からの電話は私の幼馴染の死の知らせでした。事故と自殺と事件で調べているので話を聞かせて欲しいという事だったと思います。あまりの衝撃に内容はあんまり覚えてません。でも、自殺するような奴ではありません。と強く何度も行ったことは今でも覚えています。

 

その幼馴染とは保育園に通っていた、おそらく3歳位からの付き合いでした。気が小さく、自分の言いたい事もあまり言わないでも。自分の意見は持っているという男の子でした。誰よりも気が小さく、誰よりも優しい男の子でした。

 

彼が幼い頃に彼の父親が家を出てしまい彼は3兄弟の真ん中として彼のお爺ちゃんとお婆ちゃんに育てられていました。幼かった時の私は彼の寂しさも、悔しさも分かりませんでしたけどお互い成長するにつれてお互いの事を理解し和え、お互いの強いところ弱い所に共感を抱くようになったと思います。

 

お父さん、お母さんが居ない。私には当たり前にいる存在が彼には居ませんでした。

 

だから、彼は自分の意見も言えなかったんだと思います。自分が何か言ったせいでまた、寂しい思いをすることになるかもしれないから、、、。

 

私は成長するにつれてそんな事を彼に対して思うようになりました。彼の寂しさ、優しさの原因が分かったような気がした私は小学生になってからはほとんど彼と遊んでばかりいました。

魚釣りをしたり、鬼ごっこをしたり、ファミコンしたり。当時発売された『ドラゴンクエスト』も彼から借りましたし、『スーパーマリオブラザーズ』も彼から借りて遊びました。

 

ずっと一緒にゲームがしたくって今日家に泊まりなよって言って彼を困らせたりもしました。そのたびに彼はこう言いました。

 

『婆ちゃんに怒られるから帰る。』

 

彼にとっての婆ちゃんは絶対でした。どんな時もどんな時も。いつも婆ちゃんが婆ちゃんがと言ってました。彼の婆ちゃんは当時の私の嫉妬の対象でしたが今思えばしょうがないですよね。

 

彼にとってはおそらく唯一の愛情の場所だったんですから。保育園の時から高校になっても婆ちゃんが婆ちゃんがそれが彼の口癖でした。

 

そんな彼が婆ちゃんを残して死ぬわけがない。これが私が彼の自殺を強く否定した理由でした。今となってはどう調べようもないですし、もうこの件はどうでもいいような気がします。それだけ時間が過ぎてしましました。

 

職員室での電話が終わった後に同じ同級生の何人かと学校を出て彼の家に向かいました。汗だくになりながら涙を流しながら必死に自転車のペダルを踏んだことを覚えています。

 

彼の家に着いたその時も、葬儀の時も1周忌の時も彼の婆ちゃんは、

 

『悔しい悔しい私が代わりに死ねばよかった。』

 

と言って涙をぼろぼろ流していました。

毎回私もその姿を見て涙をぼろぼろ流しました。彼の命日に彼の仏前で手を合わせ、その後に婆ちゃんと話をしながらもそれは繰り返されました。何回も何十回も。

 

数日前に夢の中に彼の家と彼の婆ちゃんが私の夢に出てきました。私は墓参りの催促かと思い今日、彼の家に向かいました。

 

3年ぶりに行った彼の命日の墓参り。

 

私と彼のお婆ちゃんの恒例ともいえる命日に一緒に涙を流す。それも終わりました。

 

彼の婆ちゃんは2年前に亡くなっていました。今年、私は彼と彼の婆ちゃんの仏前の前で一人で涙を流しました。

 

『良かったね。婆ちゃんと会えて。婆ちゃんも良かったね。〇〇と会えて』と。

 

彼の家も婆ちゃんが居なくなった今、誰も住んでいませんでした。亡くなった時の彼の遺影も婆ちゃんが座っていた座椅子もそのままの状態でした。

 

ただ一つ違っていたのは、彼の遺影の横に婆ちゃんの遺影が増えていたことでした。

彼の横に掲げられたその遺影の中の婆ちゃんは少し嬉しそうでした。彼も。

 

『良かったね二人とも。やっと会えたね。』

 

そんな事を思いながら私は彼と婆ちゃんの家を後にしました。もう彼の家にお参りに行くことは無いでしょう。婆ちゃんも居なくなったし。彼と婆ちゃんのお墓には行きますがね。

 

私が一方的に交わした約束。

 

私は彼の分も生きて来れたでしょうか。彼がおそらく出来なかった恋愛もし、結婚もし子供も出来ました。

 

あの時の記憶はそのままに、いつもあの時の彼が私の中には今も生きています。

 

まだまだ、約束を果たせたと思っていないので彼の分も頑張って生きようと思ったそんな一日でした。

 

 

↓彼と最後に会った道はあの時と変わらないまま。

私が毎月買っていた月刊少年ジャンプと彼が毎月買っていた月刊少年マガジンを取り換えっこしようというのが最後の会話でした。結局果たされませんでしたが。

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↓私たちが通った保育園は無くなっていました。

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↓私たちが小さかった時に植えられた木もこんなに大きくなっていました。

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↓彼のお墓ではつつじの花が私を迎えてくれました。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。