make the style. オレンジランプのブログ

私、オレンジランプが自由気ままに過ごす日常。大好きなもの作り。料理。家具製作。猫。アウトドア。子育て論。などなど、気ままに発信していきます。

『私のパワースポット』

日本にも世界にもパワースポットと言われる所は沢山あります。

でも、私は正直そのような所にあまり興味がありませんでした。

ただ一か所だけ私にとってのパワースポットと言える場所があります。

今回はそこに、少しだけ一人旅をして来ました。

 

退院中に行こうと思ってたあの場所へ。

 

『悪性リンパ腫』の辛い抗がん剤治療が1クール(約2週間ちょい)終わると1週間ほど退院をすることが出ます。

でも、この一週間は本当にあっという間の時間です。学生の夏休みがあっという間に終わるのと一緒で何かを決めておかないと何もできないまま、次の入院生活が始まってしまいます。

 

と、いう事で今日は『私のパワースポット』に行ってきました。

 

目的地は、私の入院先の病院の窓から見える、この『金峰山』と言う山(赤丸を付けた山)の向こうの山です。熊本駅から車で20分位の場所にあります。

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先ずは大事な靴選び。今日は結構な距離を歩くし、足元も悪い場所なのでブーツで行くことにしました。

 

⇩もう20年位はいているティンバーランドのブーツで出発です。 

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では『Let's go!』

 

 

こうやって目的地を決めてドライブに行くのも久しぶりですし、好きな音楽を聴きながら車の運転をするのも本当に久しぶりです。

途中でコーヒーを買ったり、景色を観たり。出発開始から気分はノリノリでした。

まるで、久しぶりに恋人に会うかの様に、、、。居ませんけどね。←当たり前か💦

 

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車で15分位走ると目的地の入り口の目印となる『本妙寺』というお寺が見えます。

豊臣秀吉の家臣の中でも特に豪傑な七本槍と言われるな武将の一人、加藤清正が建立し、眠っている場所です。熊本城を建てたのもこの人です。

 

ここを左に曲がって上って行くと花岡山と言う山へと上って行きます。

ここからはしばらく森の中を走り抜けるワインディングロードが続きます。

www.youtube.com

緑の木のアーチの中を好きな音楽聴きながらコーヒー飲みながら走るのは本当に気持ち良かったですね。 

 

 そのワインディングロードを抜けると標識が目に入ります。

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その標識に書いてある『霊厳洞』が今回の目的地です。ここから、5km先の距離にあるようですね。

 

『霊厳洞』とは、あの剣豪 宮本武蔵が当時の熊本藩の細川家に客人として招き入れられた時に『五輪書』という兵法の書を執筆したと言う場所です。

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↑’’ジャパーニーズサムライ’’としても海外でも人気のある宮本武蔵。

好きな人も多いはずです。

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先ほどの標識からしばらく行くとこの標識があります。この標識にある直進方向の河内(かわち)方面へ向かって行きます。しばらく下り坂を下りていく事になります。

 

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しばらく下ると目に入るのはここです。

『優峰園』(ゆうほうえん)と言うお店?!です。

どういうお店かと言いますと自家栽培、自家飼育の食材を使ったレストランと果樹園の総合商社みたいなところです。

 

ここで採れた果物はもちろん、ここで育った鶏や鱒をその場で焼いて食べることが出来ます。でも、私のお勧めは何と言っても『自家製のオムライス』です。

自家製の濃厚なデミグラスソースと、ここで育った鶏とその卵で作ったオムライスは絶品です。デザートには、ここで採れた梨を使った蜜で作るプリンなんかいかがでしょう。普通のプリンのカラメルソースと違ったフルーティなソースがとても美味しいです。

 

季節に合わせた果物狩りもおススメですよ。熊本の人なら学校の社会科見学旅行などで来たことある方、多いかもしれませんね。

大好きな所なのでリンク貼っておきますね。 

 

その優峰園さんを過ぎてしばらく行くと、いよいよ左手に霊厳洞がある岩戸の里公園の入り口が見えてきます。霊厳洞はこの公園の一角にあります。

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先ほどの案内を左に曲がりしばらく急な坂道を上って行くと岩戸の里公園の駐車場に到着です。

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ここで情報をひとつ。

トイレは中にもあるのですがここで済ませておくことをお勧めします。何故かはあえて言いませんが💦

 

駐車場では大きな宮本武蔵の像も出迎えてくれます。

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↑宮本武蔵像ちょっとお顔が、、、。

 

今回の目的地は『霊厳洞』なのですが、ここであえて寄り道をします。

宮本武蔵像の前を横切り左手の方に進むと分岐があります。ここを左に行けば目的地の霊厳洞ですが、ここを右へ行きます。

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右に行くと、、、。

 

 

そこは、、、。

 

 

なんと、、、。

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階段です。

 

今の私の体力と筋力で上れるのか少し不安になりましたが、ここまで来て、引くにも引けないので頑張って上ります。たしか36,7段くらいだったかなぁ。

 

頑張って上った先には、、、。展望所!

 

 

じゃないです。

 

 

こんな感じの場所に出ます。

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何か意味がありそうですが、あんまり興味もなかったので先に行きます。

 

 

先に行くと、、、。

 

 

そこには、、、。

 

 

何と!!!

 

 森の中の空間があります。とっても癒されるポイントでした。

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ここでちょっとしたサプライズが!

 

 

あちらこちらから私の到着を歓迎してくれるかのように、、、。

 

 

 

聴きました?!

 

 

本当に?!

 

 

どうですか?!

 

 

私は感動して少しだけ疲れも吹き飛んだ気がしました。

 

そんなこんなで到着しました。

 

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↑展望所です。

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↑この日はガスがかかっていて前方の有明海もあんまり見えませんでしたが、空気が澄んでいる時は、本当に遠くまで見渡せて、それはそれは気持ちが良いです。とにかく、鳥のさえずりや風が心地よく感じられる場所ですね。

ここまで頑張って上ってきたかいがありました。

 

さあ、ではここから本当の目的地『霊厳洞』に向かいます。

そう来た道を戻ります。歯を食いしばって。べそかきながら。

 

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べそかきながら戻り、さっきの案内板を霊厳洞方面に進むと、紅葉と竹のアーチの道が続きます。しばらく続きます。どこまでも続きます。下りです。

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緑の木々って安らげますね。

紅葉も綺麗でしょうけど、この青々とした紅葉も力強くて綺麗でしたよ。

その緑のトンネルを進むと次の分岐点に到着します。

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正面左手の立て札に小さく岩戸観音とあります。なのでここを右に行きます。

右に行くと、入り口らしきものが。

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↑この右手の建物はおそらくここの住職の家だと思います。ここからも行けるのですが正しい入口は正面下った所にあります。

 

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はい到着!

 

ここが霊厳寺の入り口です。

 

 

霊厳寺?!

 

 

え?!

 

 

て思った方。

 

 

鋭いです。

 

 

目的地の『霊厳洞』はまだまだ先です。

とりあえず入りま~す。

 

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立派な風格の霊厳寺です。正面からの写真は失礼だと思いますので撮ってません。

 

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 熊本は水の都。県内のあちらこちらに『名水百選』と言う湧水があります。

ここで、お参りをしていよいよ、行きます!

いざ、『霊厳洞』へ。

とその前に拝観料の200円お支払いします。

係のお婆ちゃんは動きがとってもスローリーなので温かい気持ちと大きな声で呼んでくださいね。

 

グルグル回るゲートを越えるとそこにはちょっとした宮本武蔵のゆかりの品があります。

 

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うっそうと茂った森の中へ入っていきますよ~。

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こっから先は階段と苔との闘いになります。絶対負けられない!

 

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↑このお地蔵さんの大群は『五百羅漢』と言って沢山のお地蔵さんが奉納されています。熊本の商人の渕田屋儀平さんと言う方が今から約200年前に24年の歳月をかけて奉納されたと言われています。そのお地蔵さんの表情や座る姿はすべて違っていて、必ずひとつは自分に似たお地蔵さんが居ると言われています。

 

小学校の時にここに来たときは、必死に友達と探しましたが今日は止めときます。

ただ、熊本大地震で多くのお地蔵さんが損壊していて悲しくなりました。こんなところにも地震の被害があったかと思うとつくづく嫌になります。

 

お地蔵さんにお参りして、閻魔様にもお参りしたら、いよいよもうすぐです。

↑閻魔様にお賽銭投げ入れたら、一瞬500円玉だったような気がしますが、気にしない、気にしない、あ~、、、。

 

またしても階段です。でも、霊厳洞まであと50mの文字が✨

 

結構急な階段です💦頑張って上ります。必死に手すりを握りながら。

上ると当然の様に下ります💦

もう勘弁してほしいです。駐車場の車からここまでは2kmくらいは歩いているんじゃないでしょうか?!

 

 

ここまで息も絶え絶え、まだかまだかと思って顔をあげると、、、。

 

 

着きました。

 

 

『霊厳洞』です。

↑宮本武蔵の奥義である『二天一流』の由来が書かれています。

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↑この石段を上ると直径10mくらいの洞窟かあり、そこに観音様がいらっしゃいます。

当然、宮本武蔵の時代にはこの石段も無かったと思います。

どうやって上ったんでしょうね?!

 

階段を昇って正面には観音様がいらっしゃいますが写真には収めておりません。

 

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↑洞窟の天井に『霊厳洞』と彫られているらしいです。

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やっとの思いで到着した『霊厳洞』ですが、なぜここに私がこんな体でこんなにも、キツイ思いをしてまでやってきたかと言いますと、前回ここに来たときの私は色々悩んでおりました。約10年前の事です。

 

仕事の事や夫婦の事。将来の事。そして、生まれたばかりの子供の事で。

 

悩んでおりました。

 

こんな私で良いのかと、、、。

 

そんな事を考えながら仕事をしていたので仕事にも身が入らず、営業の成績も今一つでした。

この仕事向いて無いのか。辞めて転職した方が良いのかとも思っておりました。

 

元々、家具を作ったり、クリエイターとして、やっていきたいと思っていた時に急に決めたというか迫られた結婚。当時の彼女(今の妻)の母に。

当然、結婚するつもりでいましたし、その準備はしていましたが自分の夢も追ってみたかった。

 

でも、収入面や将来性の面で企業に就職してと頼まれ決めたその時の仕事。

当然と言えば当然の話です。お金が無けりゃ生活も出来ません。安定性が無ければ親としても不安なのは分かります。

 

私たちの結婚は、きっかけは義母の言葉でしたけど、二人で話し合って決めた結婚です。

 

でも、恥ずかしながら結婚した後も、自分の中で色々と鬱積するものがありました。

 

願わくば自分の夢を追いかけて、それで生計を立てて結婚したかった。

でも、彼女の年齢的にはそれが許されないと言われました。彼女の母親に。

 

そんな日々が数か月続いたときに、いつも行っているお店で手に取って読んだのが

当時、流行っていた井上雄彦さんの漫画『バガボンド』でした。以前もこのブログで私がバスケットを始めるきっかけになった話を書きましたが、その漫画『スラムダンク』を書いた漫画家です。熊本大学に通われていたそうで熊本でもなじみのある漫画家です。

 

色んな物に影響される私は見事に影響されて、宮本武蔵について調べ出しました。

正直この時までは何も知りませんでした。知っていたのは『待たせたな!小次郎。』というセリフくらい。←これも言ったかどうかは定かでは無いらしい。

 

調べているうちに宮本武蔵は、熊本にゆかりのある人なんだと知りました。

 

そして、知ったのが『五輪書』であり、ここ『霊厳洞』の存在でした。

 

急に行ってみたくなって営業の合間に行くことにしました。

 

 

でも、少しだけ何かを見つけることが出来るかなって期待を持って。

 

 

 

でも、来てみたら、、、。

 

 

 

 

ここには何もありませんでした。

 

 

 

私が期待した。目的も夢も希望も。

 

 

 

何もありませんでした。

 

 

 

そこには今回と同じ、洞窟の中に大きな岩があり、観音様がいらっしゃるだけでした。

 

 

 

仕方なく、その時の私は、この場所に座り、宮本武蔵は何を考え、何を思い、何を感じたのか考えようと思いました。

 

 

 

埃被った板の間に座り、ゆっくりと目を閉じました。

 

 

 

静かに息を吐き、、、。姿勢を整えて、、、。

 

 

 

すると、不思議と何も考えられませんでした。

 

 

 

良いことも。悪いことも。悲しいことも。嬉しいことも。

 

 

あれだけ悩んでいた妻、子供、自分の事も。

 

 

 

何も考えられませんでした。

 

 

 

ただただ、聴こえてくる鳥の鳴き声や、虫の羽音、そして風の音。

 

 

 

それが聴こえただけでした。

 

 

 

そのまま、2,3時間はその場にそうしていたと思います。

 

 

 

ただ座って、目を閉じて、、、。

 

 

 

目を開けたとき、少し日が陰っていました。私は静かに立ち上がり、観音様に頭を下げて、その場を去りました。

 

次の日から、何故だか仕事に集中できる様になり、営業成績もみるみる上がり、全国でトップの売上成績を上げることが出来るようになり、昇給も昇進も果たす事が出来ました。

 

でも、この霊厳洞で何かが変わった訳ではありませんでした。

 

 

 

自分の中での迷いが消えただけでした。

 

 

 

 

『今の自分に出来ることをやろう。』

 

 

 

 

そう思ったからでした。

 

誰のせい、誰の為でもなく、自分が出来ることを少しづつ。頑張ろう。それが、10年前の自分が決めたことでした。

 

 

この『霊厳洞』のこの場所で。

 

 

あれから時は過ぎて私の子供もすくすく成長してくれて、家族も仲良く暮らせています。あの時に頑張ったから今があると思っています。

今の気持ちはあの時と同じです。

 

今の自分に出来ることを少しづつやる。

 

それが私が生きる道だと思います。

 

宮本武蔵がこの場所で何を思ったかは今でも分かりませんが、それはもうどうでもいい話です。

 

人は人自分は自分なのですから。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。