自分の椅子を作った話 その② 設計・材料購入編
自分専用の椅子。あったらいいなぁを形にする。シリーズ第2回目です。
ドンドン夢は膨らんでいきます。
前回の『自分の椅子を作る』でデザイン案を作りました。今回はそのデザイン案に沿って『設計図』を描いていきます。
③採寸
一般的な椅子を作るのであれば、一般的に良いとされている寸法があるのでそれに従って作ることもありますが、今回作る椅子は自分専用の椅子なので、実際に自分の体の大きさを測って、それに沿って作っていきます。
もの作りで大事な寸法。
もの作りで重要なのは、そのものの大きさをどれくらいにするかという事。
これを見誤ってしまうと、せっかく苦労して出来上がったものは無用の長物、部屋のオブジェと化してしまいます。そうならない為にも、この採寸は非常に重要な工程となります。
採寸。実際に私の体を使って寸法を採っていきます。寸法を測る場所は主に3つです。
椅子を作る時に私が重要視している3つの計測ポイント
1.床から膝裏までの高さ
2.床から肘までの高さ
3.背もたれの角度
1.床から膝裏までの高さ
1つ目は床から膝裏までの高さ。この高さが高いか低いかで椅子から座る時、立ち上がる時の体にかかる負担と長時間座った時の疲労感が変わってきます。
高くすると長時間座ると疲れるかもしれません。でも、立ち上がる時がすごく楽になります。低くするとゆっくりと座れますが立ち上がる時にちょっと力が必要になります。
私は今、筋力がないので前者の高い方で作ります。
採寸した結果は330mmでした。(寸法の表記はmmで行います。)
2.床から肘までの高さ
2つ目のポイントは床から肘の高さ。
これも体に合ってるか合ってないかで、座り心地に雲泥の差が出ます。
この高さは580mmでした。
3.背もたれの角度
3つ目は座る背もたれの角度です。自動車や新幹線の座席を思い浮かべていただくと分かりやすいかもしれません。倒しすぎるとゆっくりできますが起き上がるのが大変になり、起こしすぎるとリラックスできません。
この角度も座り心地の重要な部分なのです。でもこれは、少し測りにくい場所なので木工の制作過程で実際に座ってみながら私の体に合わせていく事にしました。
測った寸法を記録として残します。
次に採寸した寸法に沿って設計・製図を行います。事前に使う材料の大きさなどの情報を準備しておく必要があります。
今回使う材料はホームセンターなどで売っている『SPF材』というウッドデッキや木工家具、2×4材(ツーバイフォー)の時に良く使われる材料を使います。
既製品として売っているので、その材料に合わせて木材の加工も最小限にとどめるように図面を描いていきます。
④製図
製図はフリーソフトの『JWCAD』という製図のソフトを使って描いていきます。
数年ぶりに図面を書くので操作方法を思い出しながらの作業となったので、これが一番大変な工程となりました(大汗)
JWCADに興味がある方は無料でダウンロードできますし、使い方もネットだったり、書籍も数多く発行されていますのでぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
少し見にくいかもしれませんが一応貼っておきます。
⑤板割と積算
私の体に合わせた採寸した寸法に合わせた図面の制作が終わったので、今度は、その図面に合わせて実際どれくらいの量の木材やその他の材料が必要になるのかを電卓と図面とにらめっこしながら計算していきます。
ここで、重要なポイントは材料の大きさや、その値段、数量などです。
先ずは材料をどのくらいに加工して使うかの板割表を描きます。
次にこの板割表に対してどの材料がどれくらい必要かなどを書きます。この場合、足りなくなったり、加工中のミスやトラブルで足りなくなる場合もあるので少し多めに書いておきます。
ここまで出来たら、実際に材料を買いに行きましょう。
ホームセンターに木材を買いに来ました。ここのお店は木材の種類が豊富で大のお気に入りです。お店によっては木材の品質、豊富さ、値段もバラバラなので、いろんなお店に足を運んでお店それぞれの情報があると良いですね。
この材料を買う時に重要なポイントは、
ホームセンターだからと言って安易に材料を買ってはいけません。
なぜなら、その材料の品質はバラバラだからです。加工品などは良いかもしれませんが、木材などは生きていたものなので同じものはこの世に2つと存在しません。
木目があったり、節があったり、くるいがあったりします。
木工品の良さは木目や節の自然な風合いだと思いますが、この自然なものだからこそ、それが加工の過程で割れたり、曲がったり、節が抜けて穴が開いたりとトラブルの原因になるので材料選びはかなり真剣になります。
木材の材料選びのポイント その1
その1は材料が綺麗か?です。カビが生えてたり、汚れやシミがあっては、完成品が台無しになってしまいます。節という枝が生えていた場所が多ければそこを切った時にノコギリの歯を痛めたり、節が割れて抜けて穴が空いたりもします。
板として加工してある材料の中には板に加工される前の段階で木の表皮側だった場合には不揃いな場合もあります。実際に板を手に取って入念にチェックしましょう。
その2
その2はその木材に『くるい』がないかをチェックします。くるいとは曲がりや反り、うねりの事です。自然な木材はこのくるいもそれぞれなのでしっかりと木口側から見てくるいがないかをチェックしましょう。
木材選びは真剣に!!!
今回は木材選びのプロに選んでもらっています(汗)
木材選びが終わったらお金を払って、あとは加工を残すのみです。
ここまで来たらもう後には引けませんね(笑)実際に自分が描いた図面、板割表があってるかの確認です(笑)その情報が間違っていればいるほど加工作業の時に苦労を強いられることになります。
では、次回は『自分の椅子を作った話 その③木材加工編』を書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。感謝いたします。