自分の椅子を作った話 その⑦ 塗装編 そして完成
いよいよ自分専用の椅子づくりも佳境も佳境です。でも、ここで問題が。
塗装はどうしよう???さて、どうしたのでしょうか?
悩みに悩む。
前回までで仕上げが終了して残すは塗装のみとなりました『自分専用の椅子づくり』。
しかし、ここで塗装をどうしようかと悩んでしまいました。
今まで作ったダイニングテーブルや子供の学習机は透明の仕上げ塗料のみで木が自然に焼けていく風合いが出るようにしました。
書斎の机やオーディオボードは落ち着けるようにとダークブラウンに染色しました。
家族で使うものだったり、子供の学習机は雰囲気だったり、その思いによって塗装を決めて来たけど、これが自分専用となると、、、。決められずにいました。
そのまま、椅子を無塗装で放置したまま1週間以上が過ぎました。
このまま、無塗装で木肌が見えるように透明に塗装しようかなぁって思った矢先に、
ぼーっと、たまたま見ていたテレビ番組で外国人の女性が『藍染』について学ぶってって言う番組がありました。今まで言葉は聞いたことがありましたがそこまで関心がなかった藍染。でも、その藍染を知るうちにどんどんワクワクしてきました。
なんか楽しそう。面白そうって言う思いが芽生えました。
その番組を見た後に、インターネットや書籍で藍染を学ぶと、それはそれは大変興味深いものでした。
これだ!!!
『藍染』日本に古くから伝わる染色の方法で、その藍染された色は藍色、『ジャパンブルー』とも呼ばれています。空気に触れるたびに変色していくその藍色。
空気によって変わっていくというその特徴も防虫、抗菌効果があるというその効果も今、療養中の私の心境にはぴったりでした。
もうこの色しかない。
そう決めた私は次の日から、その染料を探しました。私が作る家具の塗装材は体に悪い影響のない自然の中にある塗装材を使っているので、量販店に売っている揮発性の高い塗装や油性の塗料ではないものを使っています。
色んな方法を駆使して探した結果、ぴったりの材料が見つかったのでこれを使って塗装することにしました。
パパ専用の椅子を作る手伝いをすると言って度々手伝ってくれる娘も大はしゃぎで一生懸命手伝ってくれました。私はその服が塗装まみれにならないかと冷や冷やしましたけど。
娘が手伝ってくれたおかげで多少時間かかりましたが(笑)ようやく、塗装が完了しました。早く座りたい衝動に駆られながらじっと塗装が渇くまで我慢です。
この為に用意した、い草の座布団をセットして完成です。製作期間は約2週間。放置してた期間もありましたが実際の日数的には3~4日という所でしょうか。
その座り心地は快適そのものでした。自分専用という事もありますが、ひとつのものを作り上げた達成感と満足感は何物にも代えがたいものでした。
もの作りは楽しい。
あらためて、そう思わせてくれる。『自分専用の椅子作り』でした。
完成後に妻が座って一言
『これちょっと高すぎるよ。足も届かないし、ひじの高さも高すぎるよ。』
私はこの言葉を聞きながら、その世界にひとつだけのワンオフの自分専用の椅子作りの出来に満足するのでした。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。感謝いたします。