食と帰省本能
動物には備わっていると言う帰省本能。今回はその帰省本能について書いていきたいと思います。
自分が帰りたい場所=帰省場所
飼い主が引っ越したら飼い犬が居なくなり元住んでた場所に飼い犬が戻っていたという話は良く聞きますね。
昔良く見た伝書鳩や結婚式の時に『おめでとうございます』って翔ばしてた幸福をもたらすという白い鳩達もこの帰省本能があるから元居た場所に戻ってくると言われてます。
帰省本能。
人間にもあると言われますが、道具が便利になったせいや他の感覚が発達したせいで人間の帰省本能は野生の動物達に比べると劣るらしいです。
まあ、今や帰省本能なんかなくてもスマホや車のナビがあれば帰れますもんね。
私が前に勤めていた会社では、カーナビを使えない年配の社員と地図を見れない新入社員が帰社方法をあれこれと揉めていました。
私はその二人のやり取りを営業車の後部座席から呆れながら見てて『コンビニでコーヒーでも買いましょうか』と提案しました。
コンビニで先輩と後輩の分の缶コーヒーを買って二人に渡して二人がタバコをコンビニ備え付けの灰皿の傍で吸っている間に私は運転席に乗り込みました。
その後はクールにハンドルを握って私の帰省本能で帰社しました。
帰省本能。
なんで今回のブログでこんなテーマのものを書いているかと言いますと、
帰省本能って色んな感覚と紐付いているんじゃないかと思ったからなんです。
何の感覚かと言うと、今日思ったのは『味覚』です。
今日、病院に行って4回目の定期検査を受けてきました。結果は『異常無しでした。』その結果を受けて、病院の食堂にチャンポンを食べに行ったんですけど、このチャンポンを食べたら懐かしく思えたんです。
母を思い出しました。
このブログでも何度か取り上げましたが、私の母はチャンポンが大好きでした。天国に旅立ったときにも、棺に入れました。
入院中によく食べたこのチャンポン。
確かに今日、一口、口に運んだときに最初に脳裏に浮かんだのは辛い入院の日々でした。そして、次に浮かんだが母の事でした。
母が大好きだったチャンポン。
入院中に食べたときにも、脳裏に浮かんだのは母の事でした。
昔は野菜が嫌いだったのでチャンポンも苦手でした。お金払って食べるなんてもってのほかでした。
でも、最近は好んで食べます。
食べたときに脳裏に浮かぶのは、母の事です。
今思えば、入院中に無性にチャンポンを食べたくなったのは不安で不安で堪らなかったから、辛くて辛くて堪らなかったから、意識はしていなかったけど、私は母と言う温もりと言うか安らげるものを求めたのかもしれません。
チャンポンを一口、口に運んだときに私の舌が本能の中の帰省本能と結び付いて母と言う私が生まれた場所を思い出させるのかもと思います。
『悪性リンパ腫』と言う病気になってからと言うもの母を感じない日はありません。
がんで亡くなった母を私の感覚の何かが私が帰る場所=温もりのある場所=母親。と言う風に感じてるのかなって思いました。
病気って不思議です。色んな事を考えたり思い出したり感じたりするんですよ。
今まで考えた事も思った事もか感じた事もないような事も考えたり思い出したり感じたりします。
嗚呼、私にとって帰る場所は母親だったんだなと思いました。
チャンポンの味=母親だったんだなと思いました。
今、我が家では母が使っていた味噌で味噌汁を作っています。だから、味噌汁をすすれば母を思い出します。
母が上手だった茶碗蒸し。
食べれば当然母を思い出します。
先日、娘が私が作った茶碗蒸しを食べながら『何か茶碗蒸しを食べると婆ちゃんを思い出す。』と言ってました。
これを聞いたときに彼女の茶碗蒸しを食べた時にも帰省本能が働いて、彼女が食べた茶碗蒸しの記憶に私の母、つまり彼女の婆ちゃんの思い出が出てきたようです。
母は茶碗蒸しを作るのが上手でした。だから、私はいつもその味を目指して再現しようと作ります。
でも、娘が『茶碗蒸し食べると婆ちゃんを思い出す。』って行った時に私が作った茶碗蒸しが母に近づけたのかと嬉しくなり心踊りました。
愛する人、大切な人に料理を作っている方々。あなたが作る料理を食べた人達が将来その料理を食べた時に感じるのはきっと今、頑張っているあなたの姿です。あなたの思いです。
今、辛くても頑張ってください。今、思い通りにならなくても頑張りましょう。
その料理を食べた時に感じるのは、あなたの事で、帰る場所もきっとあなたの元でしょう。
だから、その料理をその味を感じた時に、誰よりも早く起きて、誰よりも遅くまで起きて、あなたが頑張っている姿を思い出して歯を食いしばって頑張れるかもしれません。
私の娘が大きくなって、私が作ってきた料理の数々を食べた時に私の事を思い出してくれたら良いなと思っています。
だから、これからも彼女が『美味しい。またこれ作って。』と言うような料理を作りたいと思います。
料理を食べて自分が大好きだった人を思い出す。
そして、その頑張りも。
食は自分が帰る場所を思い出させてくれるんだなと思いました。
今までもそうでしたが、これからも食を大切にします。
ありがとうございます。
食に感謝です。
そして、食を私に与えてくれた人たちにも感謝です。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。感謝いたします。
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